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透明セラミック

セラミックは通常、無機物を焼結した物を指しますがここでは光学的特性の優れた、例えば可視光帯域に於いて透過率の優れた材料、
ジルコニア(ZrO2)、並びに酸化マグネシウム(MgO)を紹介する。透過性に優れているため窓材には最適である。

ジルコニア(ZrO2)
ジルコニア(ZrO2)は常態は白色の固体で、融点は弊社ホームページに有る様に2973℃と非常に高いために耐熱性のセラミック材
として多く使われております。通常、常温では単斜晶系で、温度を上げていくと正方晶、及び立方晶へと結晶構造が相移転します。
また、ジルコニアセラミックに(Mg, Ca, Y)等をドープする事で安定化したジルコニアが得られ、立方晶(キュービック)ジルコニアと呼ばれ
当社が紹介する立方晶ジルコニアは次の特長を有します。

高反射率の高透過率のジルコニアセラミック:下記の特長一覧、並びに透過スペクトラムご参照下さい。

特長

透過特性

理論的限界値:75.5%に近似 (λ:640nm, 口径:0.57°, 1mm厚) 下図参照

反射率

2.18

硬度

HV10=13GPa

強度

約 230 MPa (4点曲げテスト)

化学的特性

腐食性材に対して安定

コスト

費用対効果に優れている

注:通常のジルコニア(ZrO2)の主要特性は弊社ホームページ⇒ご参照
写真1:透明ジルコニアセラミックの微細構造
(平均粒子サイズ:〜3μm)
図1:透明ジルコニアセラミック透過スペクトラム特性
(1mm厚さ)
酸化マグネシウム(MgO)
酸化マグネシウム(MgO)はマグネシウムの酸化物で、白色、又は灰色の固体で、融点 2800 °C、沸点 3600 °C、密度3.65 g/cm3
水に難溶で、立方体の形状を持っている。融点は弊社ホームページに有る様に2850
℃と非常に高いために高温セラミック材の部類
に入ります。非常に良い熱伝導性を兼ね備えた優れた電気絶縁体となるので、浸透性のある機密性部品、シース熱電計やカートリッジ
ヒーターのような熱エレメント(素子)として広く使われます。

紹介する製品はMgO材料を特殊な化学処理による粒状態の脱集積を行い細かな粉状にすることから始まり、所定のサイズに形状化し
熱処理により焼結し高い熱伝導特性を持った高透過率セラミックであり、下記の特長・特性を有します。
屈折率:1.736(波長λ:600nmにて)を持ったMgOの理論的な最大透過率の値は86.5%です。
当デバイスの透過率の測定値は波長(λ):640nm、4mm厚の場合、80.0%です。
波長(λ):380〜780nmの可視光領域における透過率は78〜82%です。下記スペクトラム参照下さい。
波長(λ):200〜350nmの紫外域に対しては23〜77%になります。
熱伝導率は47W/mK(測定温度T:53.6℃)となり、他のセラミックのMgAl2O4の場合は15W/mK、複屈折率Al2O3の場合は20-30W/mK
となります。

特長

理論的限界透過率

86.5%

可視光透過率

78〜82% (波長λ:380〜780nm) 下図参照

紫外域透過率

23〜77% (波長λ:200〜350nm) 下図参照

熱伝導率

 47 W/mK  (T(測定):53.6℃)

屈折率

 1.736

注:通常の酸化マグネシウム(MgO)の主要特性は弊社ホームページ⇒ご参照
写真2:25mmΦの透明MgOデイスク
写真3:立方晶MgOの初期粒子
図2:酸化マグネシウムのスペクトラム特性

お問い合わせ 株式会社ネオトロン